★起源
故実によれば大名行列は「手廻り供え行列」と言い、祭礼への奉納にふさわしい形に仕組まれている。
300年前の亨保5年、藩主毛利吉元が金谷神社を修復した折、11/15を秋の例祭日と定め、備え行列を奉納させるよう城下の四町に命じお道具、武具、衣装等を下げ渡したことに始まると言われている。
現在は市の行事に合わせ11月の第2日曜日に開催される。
かつての四町から二町(平安古・古萩町)での実施となり、時代の変化に合わせている。
秋の祭日に奉納をし続け、伝統と由緒を誇り伝えているところである。
★行列の内容
130数名が、殿様所在の旗を先頭に「いいさよいし(イサヨーシ)」と音頭を取る大弓、旅箱、槍、薙刀など20種類以上の道具と持ち手、その後ろに姫君のお駕籠、草履舞、お姫様が続く。
行列の大部分の者は、歌舞伎の六方を踏みながら進む。その間に各道具は持ち手を移行して先頭から後尾に移動していく。
修練が必要だが、我々はより鮮やかな技を、と念願している。
★道具類
多くが旧萩藩時代の物である。
貴重な道具の中でも長州一本槍とお駕籠は圧巻であり由緒あるもの。
花形の長州槍の長さは約5,5m、柄は100本の竹ひごを束ね漆塗りの千段巻、すこぶるしなやかで極めて丈夫な超長毛槍である。
お駕籠は10代藩主毛利斎煕の姫君八重姫が使用したものを拝領。
それぞれの道具が経年劣化のため修理費用の寄付を募ったり、経費の捻出に苦労もあるが、輝かしい姿や光彩を保持させている。
★伝統を守る
実際問題としてまかない方も含め約140名程度が必要である。昨年は3年ぶりの開催であり人的確保に大変苦労した。
一方で喜ばしいこともあった。
意欲を持って主体的に参加する子どもたちの存在。
事前の2週間、毎日2時間の練習に取り組んでる。
★今後の展望
「大名行列」を通して、文化財の保護や伝統を守り受け継ぐ意識を地域全体で高め、コミュニティの輪が広がって要るのを感じる。
幅広い年代の参加で自然と地域の活性化に繋がり、後世に伝えるためにも「大名行列」を大切に受け継いでいきたい。
平安古備組 組長 恩村照且
https://www.hagishi.com/search/detail.php?d=900036
